左利きは矯正するべき?
子供が左利きであることに気が付くのは、だいたい1歳前後、スプーンやフォーク、クレヨンを手にした時というママが多いようです。
右利きが多い世の中で左利きのまま育てると、将来苦労する場面が多々あるだろうと予測して、必至に矯正すべきという考えをお持ちの方もいるでしょう。
その一方で、左利きは天才脳とも言われ、両手を使えるから便利だと、そのままの状態で育てる方もいます。
強制すべきか否か、そのメリット・デメリットを踏まえてお話しします。
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目次
解明されていない左利きの原因
日本では、ほんの10%の割合しかいない左利き。
その原因は未だ解明されていません。
胎児の時に脳に何らかの損傷を受けた、出産時にトラブルが生じた、遺伝などの説がありますが、どの説も定義はありません。
左手は不便でしょうか?
右利きが主流の世の中ですから、もちろん何でも右利き用に作られるのが基本です。
特に苦労するのがハサミ。
しかし、現在は左利き用のハサミが通常のハサミと並んで売られています。
他にもカッターなどの文房具、急須や缶切りなどの調理器具、PC用キーボードなど、ありとあらゆる左手用グッズが開発されています。
便利な世の中ですから、子供が、いえ大人になっても物が使えないという理由で困ることはないでしょう。
左利きは工夫して問題なく使える場面がたくさんあります。
左利きで産まれ育った人たちが、生きる中で不便を感じる場面を考えて見ます。
例えば、電車の自動改札口は右手で使用するように作られていますね。
ファミリーレストランにあるスープバーのレードル(長いお玉のようなもの)や、自転車のスタンドも・・・こうして上げると、色々な場面で苦労することがあるのです。
しかし、左利きの人にとって、それは当たり前のこと。
工夫しながら生きる中で、自然と問題なく使えるようになるものが多いのです。
逆に考えてみると、車を運転する際、右利きの人でも左手でギアを動かしますよね。
それと同様の考えです。
右利きより有利な点もあります。
例えば、スポーツの場面では、ほとんどが右利きである中で左利きはとても有利に働きます。
相手の想像を超える戦略を練ることができますし、野球ではバッターボックスが1塁ベースに近いというメリットがあります。
学校の国語の授業では、右手に鉛筆の汚れが付かないというメリットもひとつです。
しかしながら、苦労する点も・・・
左利きの人がどうしても苦労する点は、やはり存在します。
子供の場合、学校の授業において毛筆を使う時間が最もではないでしょうか。
毛筆は動かし方がとても大切で、ハネやはらいが左利きでは非常に書きにくいというデメリットがあります。
文字の書き方、書き順も同様に、右利き用に左から右へ線を引くことが基本とされています。
また、右利きが多い世の中で人と隣り合わせに座ることがある場面では、肘がぶつかることに毎回不快感を感じる人は多いようです。
矯正に最も大切なこと。
子供は好きで左利きに産まれて来るわけではありません。
それを、小さいうちから治さないと!と必死になれば、やり方次第では子供にとって負担になるかもしれません。
「左手の方が使い易いのに、使えば叱られる。」
「上手に使えない方の右手を使わなければならない。」
好きなことを自由にすることで好奇心や自己肯定感が育つ子供時代に矯正しようと考えるのであれば、その接し方や方法は慎重に考えなければなりません。
子供の今を大切にするか、将来を大切にするか、よく考えて矯正するか否かを決めるのは親の努めであると言えるでしょう。