赤ちゃんの頭の形はまくら次第で変わる?

ふと気が付いたら、いつも同じ方向に頭を向けて寝ていることが多い赤ちゃん。後頭部が平らになり、頭の形が歪になってしまうのでは・・・と心配されるお母さんもいるでしょう。頭の形が歪むと、赤ちゃんの心や体の発達に悪影響を及ぼすとも言われています。成長を司る指令は脳から出されており、その脳を支える頭の形が外からの刺激によりゆがみになる、それは決して良いことではありません。学習面、コミュニケーション能力、運動能力、体や顎など様々な成長に悪影響を及ぼすとされる頭のゆがみに対処するために、『ドーナツ枕』という物が売られていますが、はたしてそれが本当に赤ちゃんの頭の形を整えるために役立ってくれるのでしょうか。また、ゆがませないために枕以外でどのような対処法があるかをお話ししたいと思います。

まくら
photo credit: Sleeping via photopin (license)

 

目次

なぜゆがみになるの?

生後すぐの赤ちゃんは首に力がなく、頭をバランス良く支える力がありません。そのため、仰向けに寝かせてもどちらか片側にコロンと頭を傾けてしまうのです。頭がまだ柔らかく、形が変わりやすい赤ちゃんは、どちらか一方だけを向いていると頭もその方向に合わせて形作られていきます。それが“ゆがみ”になる始まりです。

 

新生児のゆがみは、首がすわってからも影響があります。

新生児の時に頭の形がどちらか片方に偏ってしまうと、首が据わってからもその形に合わせた方向を向いて寝ようとするようになります。癖がついてしまうと、なかなか直すことが難しいため、できるだけ新生児の時に癖を付けないことが大切です。

 

ドーナツ枕・・・新生児には危険!

赤ちゃんの頭の形を意識してドーナツ枕を使う方も多くいるようです。しかし、使用は2~3カ月からと記載がある物が多く、そこには新生児に使用すると危険が潜んでいるからという理由があります。まだ首がすわっていない赤ちゃんは、自分で首の向きを変えることができません。つまり、ドーナツ枕に頭をはめられると、そのままの状態で身動きができなくなるのです。その時期、赤ちゃんはよくミルクを吐きます。上手にゲップが出来なかったり、ゲップが出来ても飲み過ぎていたなどの理由から吐くことがあります。その嘔吐物を喉に詰まらせ、実際に病院に搬送されたという事件が何件も起きているのです。

 

首がすわったらドーナツ枕は良い?

では、首がすわってからであれば、ドーナツ枕は良いのでしょうか。ここで考えるべき点は、使用する凹みの深さです。浅い枕であれば赤ちゃんは自分で首を動かして
寝ている間でも枕から頭が落ちてしまいます。したがって、あまり意味がないと言えるでしょう。逆に深い枕であれば、寝ている間の動きが制限されてしまいます。赤ちゃんは、頭や首に負担がかかって苦しいという理由があって自然と動くのです。頭の形を整えるために首などに負担をかけてしまうのは、決して良いとは言えないでしょう。

 

癖を付けないためには・・・

では、枕以外でどのように変形を回避させることができるでしょうか。それは、お母さんが注意して、赤ちゃんの頭の向きを変えてあげることが一番です。繰り返し変えることで一方に偏ることがなく、ゆがみを避けることにつながります。
また、赤ちゃんは明るい光の差し込む窓の方や、お母さんがいる場所を見ようとします。赤ちゃんの体の向き自体を変えることで対処しましょう。
抱っこをする時も、決まった方向だけでなく、右側、左側と意識をして交互に抱いてあげることもゆがみを回避させる方法のひとつです。
もうひとつ、現代だからこその原因として『ベビーカー』と『チャイルドシート』の使用が挙げられます。この2つは、長時間使用することにより、赤ちゃんの頭への負担が大きくなります。車で出かけることが多い、歩く時はベビーカーを使用することが多いという場合も、適度な時間で頭の向きを変えてあげることが大切です。

 

成長と共に自然と治る場合もあります。

「1歳までにゆがみを正さなければ一生治ることはない!」というアメリカでの研究結果がある一方で、「そのうち自然と治る」という専門家の意見もあります。赤ちゃんは成長すると寝ている時間も次第に減ります。頭を持ち上げてうつ伏せ、ハイハイ、つかまり立ち、そして歩く・・・というように、頭への負担も減っていきます。その過程で枕の形を気にすることは悪いことではないかもしれませんが、頭の形を作るのは枕しかないと言い切ることもできません。枕だけに拘りすぎず、まずはお母さんの目と手をかけて頭の向きを変えたり、ベビーカー等の使用時間を考えることから始めてみませんか?

 







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